―“一隅を照らす”―、比叡山根本中堂に開基、最澄の献灯した「消えずの燈明」理の言辞。
京都の東北に聳え宗教史に名僧輩出した名本山。千日回峰行巡りと九日間不眠と不休で、堂籠もりもする厳しい行法ある、天台の本山。
連峰で都の鬼門と鎮護する山容、美しく際立つが姿の形状に、谷深く巡る道折れ続き森林高く、山入りも厳しい。東の近江からと洛東八瀬から、
現代はケーブルで上れ山上に観光遊園地もあるが、南紀高野山を開いた空海が、先の最澄に返書した、名筆「風信雲書」によれば、
空海は比叡に登っていないように筆者は思う。京都盆地を眺めた将門岩も遺る比叡と、高野山の台地に広がる慰霊碑や墓石群、宝塔寺院を抱え建ち全域が町並みの、
景観は真に対照的。両山に宿泊の体験を持つが、食で胡麻豆腐の高野が良い。中国から伝わって日本佛教の基と、和食に欠かせぬ豆腐・湯葉・醤油・茶・紙、
日本の食・文字・習いの学び太い。冠句文芸も深く広く太い芯に、句心の灯が消えぬ学びを。
山路ゆく 朝を総立つ針葉樹 明 美
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