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優秀冠句




塔  映  山  声
松 尾 明 美

 十一月七日立冬は、よく晴れ暦の季と思えぬ穏やかさ、夜は霜月望月が映えて東山に望めた。 紅葉が染まり始めたが、晩秋から冬への傾きの早さを感じる。加えて政治世情の風が、渦巻き吹いて師走の文字通り、慌ただしさになった。 本号は一月号、ただ行く年来る年の暮らし安らかを願う。

賢者の目  枯木は何処までも真晝 住 澤 和 美 ▲戻る
 

 四季通じ自然を色どった樹々木が、葉を落ち尽くし「枯木」となり、冬独特の景観で「何処までも」立ち描く美。 明るく閑かな「真晝」でいて厳しい渺々さに、孤高で人心惹く魅力の眼と讃歎。以前に真の景みたが心の姿効く。

心 熟 れ  只の自分が見え出す海 三 村 昌 也 ▲戻る
 

 これは「海」と向き広漠さに、身飾りない「只の自分」を自省している感慨。 誤魔化しない凪に一つの心情が「見え出す」憧憬への語りで、作者の秋の気を親う意が映る。

心 熟 れ  葉を落とす橅明日見つめ 野 口 正 子 ▲戻る
 

 対して一叢の木立が「葉を落とす」光景に、作句を働かす思いになり、 その「橅」の樹姿が「明日を見つめ」て、秋ゆく装いを行うかと捉えた詠嘆。移りの手法で美意識。

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