TOP > バックナンバー > 2014年8月
梅雨入り早かった今夏の気象、とりわけ真夏日を超え猛暑日が五月にあって、 樹花や草花の開き迄が例年より早まり、節気の暦が合わなくなっている。夏至を控えた水無月のいま、小暑・大暑も既にあった暑さの感で、 この号が出る八月・葉月の立秋の頃を思い計る。その季清凉であれ。
日本海を渡る風と中国山脈から出て、自然景観を成した「夏砂丘」を想い、 陽光に映え風に触れ動(ゆる)ぐ大景を「無心に」在ると捉えている。用語の単純で虚飾ない詠み方に、却って自然観と対しての、広壮さ観が「光る」に出ている。
懐旧して食器の刷け色「藍の冴え」を捉え、家の慶事に用いて来た感慨を濃くしている。 磁器のくすみも無いいまも鮮明さに、好きな酒肴を載せた「日に」ある感歎率直。
毎週巡る「七曜」暦で、類型もみるが改まり月曜から「始まる」ことへ、 何の瑕瑾も残さずあれと、現実社会状況に願っていよう。社会的指摘も暗喩した作者の目線譚。