文芸塔

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優秀冠句




塔  映  山  声
松 尾 明 美

 現代の冠句は久佐太郎から始まる。それは俳諧系譜に貞門、 松江重頼-滝方山-堀内雲皷は記されているが、雲皷が元禄期に撰書して出した『夏木立』に、新しい句立を興したことを、 世に初めて文献明示し久佐太郎一門により、今日に墓碑発見と冠句碑建ち、「正風冠句」史を証し立てている。
   翁に告ぐ けふを晴れたり夏木立 久佐太郎

冬 の 鷹  書簡に海鳴り添えられて 浅 田 邦 生 ▲戻る
 

 山嶺を颪(お)り田野を渡りすさび吹き、行く方は「海鳴り」の音へ投影する、 変貌の姿を見凝める詩畫人の「書簡」印象である。筆者は玄海関門の胴鳴り憶うが、驚歎が真如で遠い地の知己との風交響き合う処を、詩篇ともした佳境。

宵ごころ  水のなかから鈴が鳴る 三 村 昌 也 ▲戻る
 

 一読し誦してみて、中七下五音にa母音のひびき心地を思う。 一日のただごとない終わりの始めに、手や口漱ぎの「水」に一種ナルシズムな思念の、微かな響き識(し)る自讃。

冬の鷹  金色の翼ゴッホ在らば 中 川 定 子 ▲戻る
 

 名画“ひまわり”の黄の鮮烈の画家、今日「ゴッホ在らば」冬空翔ぶ「鷹」の「翼」は、 輝く「金色」と連想し、蕭條たる景色に“あっ”と聲放つ、無比の感動譚で明彩。

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