TOP > バックナンバー > 2013年10月
本州列島は嘗て、船舶で九州・四国を渡ったが、関門、瀬戸、 鳴門を現代は「海峡跨ぐ橋」が懸かり、夕景や海霧の気象に架線が「灯る」海景美が現出する。 作はその景観だが、描写用語の明確さで光景が現在的に、より即物な重量感で支えている、感歎がしっかり出て、照応効果働く。
対して一読しみじみと、今日社会世相の哀愁に浸される。福祉「介護」制度は出来ているが、 自らが「介護さる日」の到来を、思い案じ「有り無しを」と、境涯性の呟きで告げている。誰も避けようない事情を格助詞ので提示した。
投票権行使の一票の価値判断が問われるが、当選に至ら無かった票数で「落選の」光景批評である。 候補者の「ビラ」はポスターであろうが、剥がされないままの非情か、「風に鳴る」と、敗退し消えるしかない者への翳を描く。
「夢」の内容を凝視して敢えて「妖し」とした、小惨劇への動悸が判る。類型多い夢見譚で句境も動くが魅惹率直。
一読私小説の一場面描写のようで、物語性の展開想像。