文芸塔

文芸塔社とは?ページへ 行事予定ページへ 優秀冠句ページへ 投句ページへ イベント報告ページへ 冠句のお誘いページへ バックナンバーページへ 問合せ先ページへ

TOP > バックナンバー > 2012年11月



優秀冠句




塔  映  山  声
松 尾 明 美

 九月に入っても暑さが続き雨も多い。一千号達成記念大会は名月の前日、好天であれかしと新月に祈っている。

募 る 雨 弔笛ながく耳底に 野 口 正 子 ▲戻る
 

 局地豪雨や波浪による、罹災者への「弔笛」の哀切。東日本大震災忌とも重ね、 哀悼の響き「ながく耳底に」残って、今しも「募る雨」霖に還らぬ魂へ、届けと頭垂れる姿。

歌に寄せ 母の少女期明治なり 松 浦 外 郎 ▲戻る
 

 昭和も既に遠く大正明治へ遡って、わが「母の少女期」へ心馳せた。口遊むは“恋せよ乙女”か初々しさ泛かぶ。

募 る 雨 掌中の夢咲きいそぐ 浅 田 邦 生 ▲戻る
 

 ひたぶるに「掌中の」珠と愛する想い。そして達し得なかった「夢」への悔い、その美しい故の意(こころ)の毀損の畏れ。

歌に寄せ 巷は今日もさんざめく 上 田 國 寛 ▲戻る
 

 いつの世も市井の「巷は」捌け口を求め、人は「さんざめく」ことで、憂いの「今日」を忘れようとする。世評観。

HOMEへ戻るボタン



Copyright:©2005-2017 bungeito-sya All rights reserved.